このところ、横浜市都筑区のマンションの杭が、支持層まで達していなかったり、杭の根固め用のコンクリートが不足していたり、というニュースが話題になっています。
今回の事件は、杭打ちの時のデータ自体が改ざんされていた、ということで、購入者としてはチェックのしようがなく、大変不安になる事件です。
杭打ちの現場でずーっと見張っているわけにはいきませんし、そもそも見ていても分かるものでもないでしょう。
私達のような不動産業者でも、そうとう建築に詳しくないと分からないでしょうし、建築業界にいる人でも、杭打ちのスペシャリストでもない限り、不正を見抜くのは難しいと思われます。
 さて、ではマンションを購入する側として、どのような対策が取れるのでしょうか?
販売業者に、

「このマンションの杭って、ちゃんと支持層まで到達していますか? 杭の根固めをするコンクリートの量は足りていますか? そのコンクリートに杭はしっかり入っていますか?」
と質問したとします。
販売業者はどう答えるでしょう。
 もし、事前に販売業者が施工不良を把握していたとしても、本当のことを言う保証はありません。(把握しながら隠して売るのはもちろん論外ですが…)
ただ、把握できていたならまだましな方で、把握できていないことの方が圧倒的に多いと思われます。
今回の事件でも、販売業者の三井不動産レジデンシャルが、事前に施工不良を把握していたとは思えません。
元請けの三井住友建設も把握していなかったでしょう。
孫請け、ひ孫請けの現場レベル、いや、担当者個人レベルであった可能性も濃いのではないでしょうか?
こうなってくると、もはや購入者として基礎工事の出来不出来を判断するのは不可能です。
では、マンションを購入したい人はどうすればいいのでしょうか?

 

 一つは、思い切って、新築マンションは買わないようにする、ということです。
極端に言ってしまえば、新築マンションは、建築後どうなるか分かりません。
今回のように、建物が傾いて初めて分かる、ということも起こり得ます。
その点、中古マンションは今までそこにちゃんと建っていた、という実績があるわけです。
また、そこに住んでいる住人に話を聞くこともできます。
その時に、戸の締りが悪い、何となく部屋が傾いている気がする、という話が聞ける可能性もあります。
築30年でも今までしっかり建っていたマンションは、今後もしっかり建ち続けるだろう、という予想もできます。
このように、長年存在してきたマンションというのは、それだけで安心材料なわけです。
新築マンションはどうしても怖い、という方は、中古マンションを選択肢に入れるのも一つの方法です。

 

 でも、やっぱり新築がいい!、という方もいると思います。
そんな方にオススメなのは、そのマンションの地盤をしっかり調べる、という方法です。
今回の横浜市のマンションの場合、すぐ近くに鶴見川が流れています。
この鶴見川は、古くから暴れ川として知られており、何度となく洪水氾濫を繰り返してきた川です。
このような川の近くは、以前は川の一部だった可能性も高く、その場合、地盤は非常に軟弱です。
このような地盤にマンションを建てる場合は、しっかりと杭を打たなければなりません。
杭を打って建物を支えないと、建物が自分自身の重さで沈んでいってしまうからです。
今回は、まさにこの杭が不完全だったため、建物が沈んでしまったのです。

 

地盤さえよければ、建物が沈む可能性はかなり低くなります。
地盤が強固な台地などに建つマンションについては、このようなことは起こりにくいでしょう。
新築が欲しければ、まず地盤をしっかり見ろ。これが鉄則ですね。