インターネットを色々調べたり、不動産会社を何社か回っても、なかなか希望通りの土地が売り出されていない、ということがあると思います。

 そのような時、最後の切り札として、“地上げ”を行う、という方法があります。

 “地上げ”というと、土地の価格が激しく上昇したバブル期に、なかば強引に土地を買い占めて転売する、ということを思い出す方もいらっしゃるかと思いますが、ここでの地上げは、あくまで買い手と地主との対等な交渉を通して、円満に取引(売買)をする、ということです。

 では、この“地上げ”を3つのステップで見ていきましょう。

1.欲しい土地を見つける
 これは、自分の希望する立地や広さ、方位、道路付け等を満たす土地をひたすら歩いて探しましょう。
空地のみならず、現在家が建っている土地でもOKです。もしかしたら、家主さんは売りたいと思っているかもしれません。

2.地主や家主と交渉してくれる不動産会社を探す
 自分で交渉して決着をつける、という方は、そのまま交渉に持ち込みましょう。
ただ、そのような方はおそらく少数派でしょう。
その土地の権利関係や、インフラの整備状況、建築に対する法令上の制限など、その土地に関して様々な調査が必要になりますし、契約内容も相手方と交渉しなければなりません。

なので、多くの方は不動産会社に調査や交渉を依頼することになると思いますが、ここでも注意が必要です。

地上げは通常の不動産取引と比べ、労力を要する上に、上手く契約に持ち込めるかどうかも不透明です。
地主に売る気がなければ、交渉は最初から成立しません。

また、会社によっては賃貸がメインで売買の経験はほとんどない、というところもあります。

 選ぶ際のポイントは、その地域の状況をよく把握している地場の不動産会社を選ぶと良いでしょう。(そのエリアの地主さんをよく知っていることが多い)
また、そもそもそういった案件は取り扱わない会社もありますので、扱ってくれるかの確認も必要です。

3.不動産会社から、地主に話を持っていく
 ここからは不動産会社の腕の見せ所です。地主の確認、近隣への聞き込み、打診の手紙、訪問など、あらゆる手段を駆使して取引成立へと導きます。
 この際、注意したいポイントは、安く買おうとしないことです。金額で一旦ヘソを曲げられてしまうと、二度と話し合いはできなくなります。ある程度の価格で買えれば万々歳、ぐらいの心構えが大切です。